美しくあろうといくつになっても女性は努力を惜しみません。
内側から体をきれいにしようと思えば、食事や運動に気を遣うでしょう。
しかし、それ以上に睡眠が美容に影響を及ぼすことに気付いている方は少ないようです。
ただ休んでいるだけの睡眠が、どうしてそんなにも大事なのでしょうか。
簡潔に言うと「ただ休んでいるだけ」だからこそ最も大切なのです。

血行と睡眠

日中の活動中、私たちは常に四肢のみならず全身を動かしています。
その司令塔は脳ですから、できるだけ脳に酸素や養分が集まるように、血流も集中します。
他の器官は動かすのにぎりぎりの量の血液しか回ってこないと言い換えても良いでしょう。
ところが睡眠中、脳は生命維持に必要な最低限の活動以外をお休みしています。
その分血液も必要としませんから、体の各パーツに血液が行きわたりやすくなります。
ですから、活動中は動かすだけで精一杯だった体のパーツも、血液からふんだんに酸素と養分を受け取り、エネルギー回復やダメージの修復に充当できるようになります。

ホルモンの分泌

身体の回復・修復を担うのは血液だけではありません。
睡眠中に分泌が促進される成長ホルモンもその役割を負っています。
成長ホルモンというと子供の身長を伸ばすホルモンだと思われがちですが、量は減るものの大人でも分泌されるのです。
身体を成長させる、つまり細胞分裂を盛んに促すのがその役目ですから、睡眠中に成長ホルモンが分泌されると体の各所で細胞分裂が活発になり、傷ついた場所の修復が円滑に行われるようになります。

こうして血液とホルモンの働きで睡眠中に体のダメージが回復されていくわけですから、睡眠時間が短いと気分が優れなかったり、体調不良になるのも頷けますね。
肌にとっても同じことなのです。
「睡眠不足がお肌に悪い」という決まり文句は、このメカニズムを端的に示していたのですね。

睡眠ゴールデンタイム

深夜22時から午前2時の4時間の間を「睡眠のゴールデンタイム」と呼ぶのは、成長ホルモンが分泌されやすい時間帯とされているからです。
人間が時間表示なしで生活していたころの体内時計に合わせているという考えに基づきます。
しかし、会社勤めや学業、交際などもありますから深夜22時より前に就寝するのは、現在ではとても難しいでしょう。
ゴールデンタイムの内90分から120分を睡眠に充てられれば十分という説もありますので、午前0時30分ごろには就寝していたいところです。
規則正しい生活は肌の調子を調えるばかりか、より健康的な体に導いてくれます。

睡眠リズムを上手く利用しよう

午前0時過ぎの睡眠を毎日とれる人ばかりではありません。
夜勤のお仕事をされている人もいますし、シフト制でどうしても生活が不規則になりがちな人は「ゴールデンタイム」の全時間帯で目を覚ましている場合もあるでしょう。
その場合は、睡眠のリズムを使って上手に眠ると良いでしょう。
睡眠には眠りの深いノンレム睡眠と浅いレム睡眠があり、だいたい90分ごとに繰り返しています。
レム睡眠中よりノンレム睡眠中の方が、成長ホルモンが分泌されやすいというデータもあります。
そしてノンレム睡眠中は眠りが深いため目覚めにくいので、レム睡眠中に目を覚ます必要があります。
90分サイクルでそのタイミングは訪れますが、身体の回復まで考えると睡眠時間は6時間、7時間半、9時間あたりに設定すると気持ちよく目覚められるでしょう。
短時間の仮眠しか取れないという場合には90分サイクルで眠るようにすると、比較的疲れが取れやすいです。

良質な睡眠をとるために

入眠から3時間程度も成長ホルモンの分泌が盛んになるので、しっかりと質の良い睡眠をとりたいものです。
PCやスマホのブルーライトは、脳を刺激し活性化させてしまいますから、ベッドに入る直前の使用は控えたほうが良いでしょう。
寝る直前に食べ物を口にするのもよくありません。
睡眠中は血液を全身に隈なく巡らせるのが肝要だと前述しましたが、食べ物が体内に入ると、どうしても消化吸収活動に体はシフトします。
すると、他の部分で必要だったはずの血液が胃腸に集中してしまうため、疲れが取れなくなり、肌の修復まで手が回らなくなります。
照明を消しておくことも大事です。
日光をはじめとする「光」に反応して人間の体は覚醒するので、睡眠中はできるだけ光を浴びないようにしましょう。
特に夜勤のために昼間に睡眠をとる方は、遮光カーテンなどを利用するなどして工夫をしましょう。